君と金魚、夜
「あっ、お前ら待て!」
あたし達は走ろうとした。
そこで呼び止められて止まる。
「今日桐原が休んでたんだけど知らない?」
「あっ…」
「あたしのせいです…」
「何で西森?いや、あまり仲良くはないと思ってたけど」
「違うよ、水希ちゃんじゃなくてあたしが悪いんだと思う…でも茅にも話してみます」
「また何かあったら言えよ」
春村先生は深く聞かずに数学教材室に入って行く。
「茅のことはあたしが何とかするから、茅だって悪い子じゃないし」
「うん」
「そしたらみんなで遊びに行こうよ!」
「そうだね」
あたしは華ちゃんのおかげで何かを受け取った気がする。