君と金魚、夜
「華ちゃん!」
「ん?」
「あたし好きな人いる!華ちゃん見てたら告白しなきゃって思った」
「やっぱりいるんだ」
「え?」
「分かるよ、大事な友達の好きな人だもん」
大事な友達。
あたしは好きな人から大事な友達になっていた。
「二人で遊びに行った時、水希ちゃんが見てたあの人だよね?」
それは紛れもなく洸人さん。
さすがだな、って思う。
「なんで分かったの?」
「応援してる、何かあったらあたしに相談してよね!遠慮いらないから!」
「ありがとう」
「うん」
「告白…する」
華ちゃんに背中を押されて、あたしはこの日決めた。