君と金魚、夜
小さな女の子が泣いていた。
「ママとはぐれちゃった…」
「おー大丈夫大丈夫」
洸人さんはお母さんとはぐれた女の子の手を握っていた。
あたしもそこに駆け寄る。
「名前なんて言うの?」
「みお…」
「みおちゃん、だね?ママとはぐれちゃったのはどこ?」
「ふんすいのお水さわってたら、いなくなってたの…」
「じゃあここらにまだいるな」
あたしは周囲を見回す。
「みおちゃん、ママまだ近くにいると思うから探そ」
「うん…」
洸人さんがみおちゃんの手を繋いで探す。
公園で噴水の近くを回る。
「みおちゃん何才?」
「6さい、お姉さんは?」
「お姉さん?16歳だよ?もうすぐ17歳」
「みおもね、もうすぐ7さいになるの。みおには弟がいて、みおはお姉さんなの」
「そっか、じゃあ泣いちゃだめだよ?」
「うん!」