君と金魚、夜
「みおちゃん、弟って何才?」
洸人さんが聞く。
「まだ赤ちゃん、ベビーカーにのってるよ」
「そうなんだ…」
「あっ水希、ベビーカーのお母さん探して」
「そっか、分かりました」
みおちゃんのお母さんと弟が一緒にいるならベビーカーを押してるかもしれない。
そう思ってベビーカーの親子を探す。
7時過ぎてさすがに親子なんてあんまりいない。
「あっ、洸人さん」
あたしは指差す。
ベビーカーを押しながら、みおちゃんの名前を呼んでいる女の人。
「ママ!」
みおちゃんが洸人さんの手を離して、走って行く。