君と金魚、夜
「さっきの女の子、絶対いい子に育つと思う、礼儀だってきちんとしつけこまれてるな」
「ですね、きちんとしてた」
洸人さんは家族が羨ましそうだった。
あたしは洸人さんのことがやっぱり好きだって実感してしまった。
しまい込みたくないって、思った。
「洸人さん!」
「ん?」
あたしは立ち上がる。
顔を見ると恥ずかしくなる。
初めて見た時と同じ、綺麗な顔だって思う。
そして少しくすんだ目をしている。
華ちゃんが言ったように、あたしも素直になろう。
「好きです!」