君と金魚、夜

泣きそう。


そう思った時泣いていた。


あたしはどうして泣いているのか分からなかったけど泣いていた。




「あーごめん本当に俺、悪い」


「たぶん今嬉しくて泣いてるんです」


「俺本当は水希が告白してくれた時嬉しかったし、答えたかった。けど」


「洸人さんは洸人さんのけじめがありますよね」


「水希のさ、自然で自分持ってるところ好きで、でも俺みたいなやつがって思ってた」


「あたしの方が、です」


「水希、付き合ってって言ったけど、俺の周りのことが終わって水希と向き合えるようになるまで待っててくれないか？」


「はい」





人に思われる事がこんなに嬉しくてどうにもできない感情が溢れてくるなんて知らなかった。