君と金魚、夜
「華?」
『あ、水希ちゃん?誕生日おめでとう!』
「え?そっかあたし…」
『何?忘れてた?』
「うん」
今日は、夏休み最後の日で、あたしの誕生日だった。
毎年宿題と戦う鬱みたいな誕生日。
今年は誕生日どころじゃなくて忘れてしまっていた。
『誕生日って大事な日なんだからね!…洸人さんといるかもって思ったけど我慢出来なかったの』
「いるよ、華ありがとう」
『え?本当に洸人さんといるの?嫉妬する!』
「明日から会えるじゃん!ね?」
『うん!じゃあ邪魔しちゃ悪いからそろそろ』
「華ありがと」