君と金魚、夜
「水希…」
「ん…」
「お前今日寝すぎだって、海行くときも寝てたじゃん」
「んー気を張りすぎてたみたいで」
「ありがとう、もう家の前まで来たんだけど」
「嘘っ、いつから寝てたっけ?」
「ずっと寝てた、寝顔はきちんと拝まさせて貰ったからな」
「変態…」
緊張も溶けて、相手に思われてるって安心感が包んでくれる。
あたしは車を出て、運転席の方に回り込む。
洸人さんは窓を開けてくれている。
「じゃあまた、噴水公園で」
「待ってます」
あたしはお辞儀をした。
そして家の方を振り返った。
「水希!」