君と金魚、夜





「西森やってくれるか?お前成績もいいしみんなを引っ張ってくれると思う」




担任が言う。


その瞬間拍手が起こる。


もう逆らえない。


教師も生徒も面倒くさいことが嫌いだからだ。




「やりますよ」




桐原さんはこっちを向いて笑っていた。




「何あの勝気な笑い方」




茉侑が怒りっぽく言う。




「あたしに出来ることとかあったら何でも言ってね」


「茉侑もあたしが実行委員でいいと思ってるんだ…」


「うちの学祭ショボいから大丈夫だって」




あたしの高校の学祭は名前ばかりで、クラスの模擬店もイベントもダサい。


実行委員長も内申書狙いの人しかやらないって聞いていた。





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