君と金魚、夜
放課閉所
海先輩は今ままで委員会をしていた第二会議室の鍵を閉めた。
「…帰ります」
あたしは海先輩をかわして出て行こうとした。
すると海先輩はあたしの前に立ちはだかる。
「帰らさせてください。委員会終わったし…」
「帰さないって、俺とお話ししよ?」
ニコニコしながら近づいてくる海先輩が怖い。
ついに壁に追いやられる。
何か言わないと…。
あたしは真っ直ぐな目から目をそらして、聞きたかったことを聞いた。
「海先輩は洸人さんの弟さんですか?」
「あー…」
「そうなんですよね?やっぱり」
「……お前さ」
「はい?」
「今から俺が襲おうとしてんのに、そんなに好きな人が大事なの?」