君と金魚、夜





「ふっ」


「なんですか?」


「嫌がりも瞬きもしないんだなお前」


「……」


「馬鹿じゃねえの?お前突き飛ばして逃げねえとヤられるぞ?」


「海先輩は実はいい人、だからです」


「何それ、人を見た目で判断してると痛い目合うよ」


「洸人さんの弟だからです」


「鬱陶しい」




あたしが洸人さんの弟、と言った瞬間顔色が変わった。


低い声でつぶやく。





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