君と金魚、夜
「ペンキって何色いるっけ?」
「黒、白、赤、青、黄色、それから緑…」
「あー多い」
美術の先生に聞いた、質のいいペンキを安く売ってくれるお店。
そこには画材やらなんやらが積み重ねられていた。
「おばちゃん」
「はーい?」
「ここからここまで、全部下さい」
「は?ちょっとありえないですよ」
ペンキを指差して言う。
「文化祭の予算だって決まってるんですよ?黒、白、赤、青、それから…」
「さすが水希ちゃん、出来るだけ安く、ね?」
結局あたしが全部選ぶことになった。