君と金魚、夜
「女の子には重いと思うわよ?」
おばちゃんが言う。
会計を済ませてペンキを持とうとしたあたしに言った。
「水希ちゃん、俺優しいから持つよ」
「ありがとうございます」
「男女平等ね、半分ずつ」
「優しくないじゃん」
海先輩は半分とか言いながら結局ほとんどを持ってくれた。
何気に優しい。
「にしても重すぎ」
「学校に置いていきませんか?」
ここからなら学校も近いし、文化祭が終わるまでは会議室は実行委員が自由に使えるらしい。