君と金魚、夜





学校に一度戻ってペンキを置くことにした。


海先輩には私服でって言われてたけどやっぱり制服でよかった。


自信もないし。



部活をしてる人からしたらあたしみたいな女と海先輩が一緒にいたら不思議なんだろう。


あたしは知らなかったけど海先輩は有名だし。




「そういえばあたしがプリントばら撒いて海先輩が拾ってくれた日、覚えてます?」


「覚えてるよ?」


「あの日海先輩もう学校来ないって言ってましたよね?」


「そのつもりだったけど、なんていうか…気が変わったんだよな」


「あの時だけですよ、優しいって思ったの」


「今は?」


「分からないです」




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