君と金魚、夜





本当なら上履きから靴に履き替える時間さえも惜しいのに、あたしはきちんと履き替える。


今時人混みで上履きなんて恥ずかしい。



グラウンドは全力で突っ切った。


亀裂を入れるようだ。



あの男の人が倒れたところは通ったことがある。


だからあたしは全力でそこに向かう。


ううん、全力なんて嘘。


あたしの頭の中の半分以上は好奇心で溢れていた。




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