君と金魚、夜





「でもよかったじゃん」


「は?」


「俺が来たおかげで水希ちゃんが必要以上に傷付かなくてすむ」


「海先輩?」


「水希ちゃん、これ見なよ」



海先輩がテレビの方を指差す。


あたしは何のことか分からず指差した方向を見る。


そこには写真立てがあった。



「それは…」


「兄貴言い訳できる?」




そこには洸くんと、一度だけ見たことある女の人。


婚約者だ。


あの日笑い合ってた。




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