君と金魚、夜
「遥とのことは俺が解決するから」
遥さんっていうんだ。
あの女の人。
「できんの?兄貴に」
「親父とも話し合って…」
「兄貴は兄貴の欲のままに動いてるだけだろ?失礼なんだよ、水希ちゃんにも、遥さんにも」
海先輩は今までに見たことない剣幕だった。
「それは…」
洸くんはたしかに何も解決してない。
待っててって言ってくれたけど付き合ってるわけじゃない。
「水希ちゃんも水希ちゃんだよ、こんな中途半端なやつの部屋に上がり込んじゃだめでしょ」
「水希は俺が誘った」
たしかに宙ぶらりんな状態で来るべきじゃなかった。