君と金魚、夜
「ごめん…まだ…」
両手で壁に寄りかかりバランスを取り、それで精一杯らしかった。
「飲ませていいですか?」
「ごめんな」
あたしは男の人の目の前に立って、ペットボトルを出す。
男の人がペットボトルを咥える。
あたしが傾けていく。
近い距離で見たらますます綺麗な顔。
「あっ…すみません…」
あたしの傾け方が悪くて、男の人の口から水滴が流れていく。
それでも男の人は水を飲み続ける。
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