君と金魚、夜
ペットボトルの水がスカートに浸水している。
そんなこと気にならない。
あたしを冷たくしてくれるそれがないとあたしもクラクラして倒れてしまっていたかもしれない。
男の人の額があたしの左肩に触れている。
意識をはっきり持たないと雰囲気に飲まれそう。
男の人から微かな煙草の香りがする。
あたしは何にクラクラしているんだろう。
今日の温度?
この人?
それとも好奇心から始まったこの状況?
なんでもいいからここから動きたくない。