君と金魚、夜





それからトイレから出て、あたし達は外に出た。


夏だから5時なのにまだ明るい。




「あー俺これから会社戻らなきゃだめなんだよね」


「そうですよね。帰ります」


「いやっ、お礼、何かしないと」


「いいです。全然。いりません」




あたしは自分のために助けたんだから、お礼される筋合いなんてない。




「俺の気が済まないし、ほら水買ってくれたし」


「130円ですよ?女子高生の許容範囲です」


「じゃあ130円分のお礼させて、って年上の男にこんなにがっつかれたら嫌か…」


「そんなことは無いです」





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