君と金魚、夜
あたしはチャイムがなる寸前に教室に入る。
「水希ちゃんおはよう」
「おはよう」
挨拶して来たのは宮野さんだ。
宮野華っていう見た目も名前もお嬢様。
宮野さんは可愛い。
春村先生も振り向いてくれないならそれは教師と生徒だからで、誰のせいでもない。
「あー昨日出て行った西森さんじゃん?何してたの?」
「何もしてないよ」
「まじでウケるよね」
桐原さんがやってくる。
あたしは桐原さんのことなんとも思ってないし、宮野はんとも関係が悪いわけでは無いのに。
過保護な友達ならいらないと思う。