君と金魚、夜
「水希おはよ」
「おはよう」
後ろの席の茉侑とは仲がいい。
女の子らしいのに男よりも男気があってあたしには居心地がいい。
それに彼氏もいて女子高生らしい。
「で?水希は昨日どうして飛びたしたの?」
ニヤニヤしながら聞いてくる。
あの男の人の事は誰にも言いたくないと思った。
「あー…授業だるくなって帰った。ごめんねいきなり」
「別にあたしに謝ることじゃないけどびっくりしちゃったよ、水希が授業放棄なんて珍しいじゃん」
「いろいろあって…」
そう言っていると担任が教室に入ってきた。
騒ついていた教室が静かになり、今日もまた補習が始まる。