君と金魚、夜





またそこで煙草を吸えばいいのに、そう思った。


もう一度あの綺麗な顔を見たい。


あの距離で見たあの人を思い出すとどきどきする。


久しぶりの感情だ。


お礼をすると言われて逃げてきたのはあたしなのに。




西洋芸術についての長い評論を読む先生。


その声はほとんどあたしに届いていなかった。





この頃から変わり始めたのかもしれない。






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