君と金魚、夜





あたしは無意識に目を逸らした。


そして何も考えないように歩いた。




「あっ…」




ドンッ。


何も考えずに歩き過ぎて人にぶつかってしまった。


あたしは少しよろける。


その人は何も言わずに足早に歩いて行った。




「大丈夫?」


「あ、え…」


「この前の、だよね?」


「はい」




見つかってしまった。


今まで気づかれないフリをしていたことが恥ずかしい。





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