君と金魚、夜
曖昧依然
鈴波洸人。
退屈な授業中も考えていた。
あたしはその名前を思い浮かべて、この前のことを思い出した。
特別なことはしていないのに。
黒板の文字を書き写し、窓からビルを眺め、また黒板の文字を書き写す。
そんな時間を繰り返して3週間が経った。
何もなく、ただ同じように繰り返す毎日が戻って来た。
英語の時間も、数学も、国語も毎日が空気みたいに流れて行った。