君と金魚、夜
「水希も気の無い先生との間で大変だねえ」
席に着いた時、茉侑が話しかけて来た。
「厄介なのは桐原茅だよね、あの子華ちゃんのためならって、偽善」
「笑いながらそんなこと言わないでよ怖い」
「華ちゃんは可愛くていい子なのに、気の強い桐原さんを水希は敵に回してるから」
「そんなつもりじゃないのに」
そういえば茉侑は桐原さんと同じ中学だったらしい。
その時に何かあったのか、桐原さんとは関わらないようにしているように見える。
「正直、あたしからしたら春村先生は水希にも華ちゃんにも興味無さげ」
「あたしもそう思う」
茉侑には余裕があるから、何でも言える。