君と金魚、夜
「先生はどうして数学の先生になったんですか?」
なんとなく沈黙が続いてあたしが聞いた。
「どうして?うーん…教師に憧れてたんだよね。俺の高校の時の先生がマジでいい先生でさ、その先生に憧れてそのまま成り行きで」
「ふーん」
「西森と宮野は?将来の夢は?」
「あたしは特に…」
「宮野は?」
「あ、あ、あたしも、先生になりたいです」
「そうなんだ、宮野聞きたいことあったら相談のるからな」
そう言われた瞬間、宮野さんの顔が明るくなる。
本当に女の子だ。