君と金魚、夜
こうやって資料持ってて1枚だけ拾って乗せるのは難しい。
一階と二階の階段。
あたしは資料を拾うために体を少しずつ下げて行く。
「あー…」
ガサガサガサッ。
やってしまった。
10部くらいの資料が滑り落ちていく。
きちんと拾う方が早いかな。
そう思って今抱えてある資料を置こうとする。
ガサガサガサッ。
ザー…。
「あー…」
10部どころじゃなく、すべてが階段を滑り落ちる。
あたしはもうどうでもよくなり、拾おうとした。