君と金魚、夜
整った顔と黒い髪。
こんな人いたんだ、って思った。
目は少しくすんでいるけど、すごく黒い。
「これどこまで運べばいいの?」
そう言ってその人が、資料を半分持ってくれる。
「職員室ですけど、大丈夫です」
「大丈夫じゃなかったからこうなったんでしょ?ほら」
「ありがとうございます…」
その人が前を歩いていく。
って言っても職員室は目前で、すぐに職員室にいき、春村先生の机の上に資料を置いた。
「あ、名前教えてください」
「名前?そんなに大したもんじゃねーよ?皆からは海って呼ばれてる」
「海…先輩」
「本当は海志って言うんだけどね、勝手に海って行ってくるんだよねみんな」
「そうなんだ…」