君と金魚、夜
それから全ての雑用が終わって、先生がお礼にジュースを買ってきてくれて解散した。
あたしは宮野さんと2人で帰っている。
今まで知らなかったけど宮野さんとは家の方向が同じだった。
「今日は春村先生と話せた?」
「うん!大事な話ができた!水希ちゃんのおかげだよ!」
「そんなことないよ」
「水希ちゃんは…春村先生のことが好きなの…?」
「え?そんな訳無いじゃん」
心配そうに見つめる宮野さんにあたしが笑いながら言った。
「好きな人自体いないからね今」
「そうなんだ!」
そう言いながらも頭に浮かんだのは、鈴波洸人さんだった。
あの人とは何も関わってないけど。