君と金魚、夜
あたしと言えば、洸人さんとは何も無く、会わないし、窓の外を見ても何もなかった。
今年の夏は本当に何も無い。
今までだって特別な事は無かったけど。
そう思いながら何かを期待しているあたしがいた。
茉侑と別れてから、あたしは数週間ぶりにあの噴水のある公園に行こうとした。
噴水のおかげで風は清々しく気持ちいい。
木の陰は涼しいし。
あたしはベンチに座り、音楽を聴いていた。
ただひたすら、好きな曲をリピートした。