君と金魚、夜
「あ、お母さん?今日の夜ね…」
そこまで言ったところで洸人さんがこっちを見つめる。
そこで動いていた口が動かなくなってしまう。
「俺の事言うなよ、女子高生を大人が連れまわすのは犯罪だから」
静かに呟かれる。
どきどきする。
そして耳が熱くなる。
『水希?どうしたの?』
電話の向こう側でお母さんが困惑してる。
「あっ、えっと…友達とご飯食べて来るから今日夕飯いらない」
『あらそう?分かったわ』
「うん、じゃあね…」
あたしは電話を切る。
というか、電話どころじゃないくらい心臓がばくばくしてる。
「水希口滑らせて俺の名前出しそうだった」
「何も考えてなかったです…ごめんなさい…」
「俺の家」