君と金魚、夜
「え…」
そう言って洸人さんが指差したのは超高層マンションだった。
ここは余程のお金持ちじゃなきゃ入居出来ないはずのマンション。
「水希信じられないような顔してるけど、俺お金持ちの息子だからね」
「お金持ちの息子って…かなりのなんじゃ…」
「んー、あんまり考えないようにしてる」
洸人さんはどういう人なんだろう。
お金持ちの息子って笑って言えるレベルじゃない。
あたしは洸人さんの後ろに着いて、セキュリティの高いマンションに入っていく。