君と金魚、夜
「あら、おかえり、遅かったじゃない」
「ただいまお母さん」
「ご飯ちゃんと食べた?今度はもう少し早く帰って来てね」
「はーい」
お母さんの小言が始まりそうで、あたしは自分の部屋に行く。
そしてベッドにダイブする。
洸人さんに電話しないと…。
アドレス帳を開くと鈴波洸人って名前がある。
あたしはそこを押して、電話番号を押す。
呼び出し音がひたすら鳴る。
「あっもしもし」
『水希?』
「水希です」
『家着いた?』
「着きました」
『よかった…親に怒られてない?』
「全然、怒るような親じゃないんで」
『そっか』
天井を見ながら洸人さんと話していた。
「水希!早くお風呂に入りなさい!」
「はぁーい」
お母さんが一階からあたしを呼ぶ。