君と金魚、夜
非常出口
「水希ちゃんおはよ」
「華ちゃんおはよ」
あたしと華ちゃんは少しだけ仲良くなっていた。
仲良く、なんて言っても挨拶をするくらいだし桐原さんは相変わらずだ。
変わったのは華ちゃんとメールをするようになったことだ。
いきなり華ちゃんからメールが来て、それからメールをするようになった。
女の子らしい絵文字に憧れる。
「水希、この前の放課後から華ちゃんと仲良くなったんだね」
茉侑が言う。
「仲良くって言っても華ちゃんには桐原さんがいるし、あたしは茉侑といて一番楽だし、何も変わんないよ」
「そう?華ちゃんいい子だね」
「うん、本当に裏の無い子」
華ちゃんは純粋に春村先生の事が好きなのも分かる。
「なんか今日水希嬉しそう」
「えっ?そんなことないよ」
「ふーん」
茉侑にも洸人さんのことは言っていない。