君と金魚、夜
「嘘っ、水希ちゃん海先輩と知り合いなの?」
「え?知り合いじゃない…と思う…」
プリントをばら撒いてしまった時に、拾ってもらっただけだ。
しかもその時あたしが名乗った覚えもない。
教室は黄色い声援。
この人もしかして有名な人だったんだ。
「おい西森水希、ちょっといいか?」
「あ、今お昼食べてて…」
「話がある」
「はい…」
何かの始まりかと思ったけど、あたしには全く思い当たる節がなかった。