君と金魚、夜
「早くって…あたし海先輩のことも知らないし…」
「じゃあ知って、俺のことお前以外の女子ならみんな知ってると思う」
「それにっ、どうしてあたしの名前知ってるんですか?」
「惚れたから調べた」
この人は綺麗な顔でよく心臓を止める台詞を言ってくる、って思った。
「とにかく、俺以外の男と付き合わないって約束して?」
「なんで海先輩と…」
「ほら、キスするぞ」
「意味わかりません」
あたしは海先輩の目を見つめた。
海先輩は真剣なのかわからない。