この未来を壊して下さい。【完】
「姫羅ちゃんは、何を隠しているんだろうねー」
なるべく明るく言った陽輝の言葉にでさえ重くなる空気。
そのあと、すぐに黙った陽輝。
残念ながら、陽輝も今、これ以上はしゃぐ元気はないらしい。
透真が調べても何も出てこない。
いや、透真だけじゃない。俺だって調べた。
それなのに、出てきたのは、
―西條綺羅
高校1年―
だけ。
俺が調べられなかったのは、今までにあのNo.1の組の西条組跡取りの情報と、黒龍だけ。
プロにでも頼んでいるのか。