この未来を壊して下さい。【完】
「なぜだ」
「俺もそこまで馬鹿じゃないんで、無駄な喧嘩はしたくないんですよ」
そういうと、グラスに入っていた水を一気に飲み干し「店長、おかわり」と水をもらう。
「俺は」
そこでようやく口を開いた弘輝。
「俺は、お前に喧嘩を教えてほしい。」
「なぜ」
「もう少しで、峰崎組の跡取りの発表がある。そうしたら俺は、人殺しになる覚悟をしないといけない。
喧嘩もそんなに強くないのに、跡取りにはなれない。
だから、俺を強くしてほしい」
それを聞いて微かに揺れた黒龍の瞳。