この未来を壊して下さい。【完】
徐々にできていく料理の匂いにつられて寝てた人たちが起きた。
「姫羅ちゃん何作ってんのー?」
どうやら、陽輝もベランダから帰ってきたらしい。
「今日はビーフシチュー」
理由は簡単だから。
カレーも簡単だけど、個人的にビーフシチューのほうが好き。
「腹減った」
そう言いながらキッチンに来たのは龍河。
さっきまで寝てたから寝癖が可愛い。
ドキッっときたのは気にしなかったことにしよう。
「はいはい、もうちょっとでできるから、スプーンとか飲み物とか用意しといて」
そう言って私は仕上げにかかる。