この未来を壊して下さい。【完】
何馬鹿なこと言ってるんだか。
生まれた時から決まってるじゃないか。
私は跡取り。いずれは西条姫羅として生きていくんだって。
ちゃんと、覚悟していたのに、
そのために友達だって、普通の生活だって、感情だって捨てたのに
「姫羅ちゃーん。花火始まっちゃうよー?」
「あ、うん。今行くー」
でも彼らを見ていると覚悟が揺らいでくる。彼らの笑顔を見ると苦しくなる。
もしかしたら、いや、きっと、私は抜け出せなくなっているのかもしれない。
彼らという大きな存在から。
今日は8月最終日の31日。
後、4カ月もないのに。