この未来を壊して下さい。【完】
どうせ、知ってるんでしょ。
私が黒龍だって。
だから、このタイミングで、この場所で言ってるんでしょ?
だって、ただの女の子に言うことを祐斗が許すとは思わない。
自分たちの不利になる情報を、進んで言うはずがない。
いや、この場合不利になるのかは分からないけど...
「私はそんなことを聞くために、ここにいるんじゃない」
周りの空気が変わる。きっと驚いているのだろう。
全員の視線を感じる。
「言って、楽になればいいじゃない。」
跡取り候補は弘輝だけじゃないんだから。