この未来を壊して下さい。【完】
助ける方法はいくらでもある。
弘輝と私は違う。
「俺は、
跡取りなんかなりたくない」
そう言ってこっちを見る弘輝。
私が弘輝の方に、所謂“右向け右”と呼ばれるものをすれば向かい合う私たち。
他のみんなは一歩後ろで弘輝を見守っている。
「俺を、
助けて下さい。」
そう言って頭を下げた弘輝。
もっと早くに言えば、こんなに傷つかなかったのに。
そう思いながら弘輝に近づく。