この未来を壊して下さい。【完】
「俺は、
黒龍じゃなくて姫羅に頼んでる。」
私の目を見ながら言い切った弘輝。
驚いた。てっきり黒龍を選ぶのかと思った。
「そっか。じゃあ、その依頼受けてあげる。」
そう言って弘輝の頭に手を伸ばす。
弘輝の方が身長が高いから変な気分だ。
ワシャワシャと手を動かせば、くしゃくしゃになる弘輝の髪。
花火の光に反射してキラリとオレンジ色に光った涙。
「泣くのはまだ早い。泣いていいのは全部終わってから。」
私の家の掟。泣いていいのは全部終わってから。