この未来を壊して下さい。【完】
「お願いします。」
そう言ってもう一度頭を下げる弘輝。
私もそろそろ覚悟をしなければ。
そう思いながら花火へ視線を移す。
いつの間にか隣に来ていた美穂も花火を見ている。
クライマックスなのか、たくさんの花火が暗闇を照らしている。
赤、緑、オレンジ、ピンク。
たくさんの色が輝いては一瞬で消えていく。
それは、彼らの個性のようで、
残った暗闇は私の心みたいで...
自然に体が震える。
表情にも出ない私の変化。でも、美穂は気づいたみたいで、そっと後ろから抱き締めてくれる。