この未来を壊して下さい。【完】
そこでようやく気付く。真夏なはずなのに冷えきっている私の身体。
必死に震えを止めようとしても止まらない。
身体が震えるなんて初めての経験。
幸いなことに、美穂以外私の変化に気付いていない。
「大丈夫。私はここにいる。ずっとここにいる。」
自分の存在を主張するように、私にしか聞こえないように、耳元でささやく美穂。
本当、いつも欲しい言葉を言ってくれる。
「うん。知ってる」
後ろから抱き締めている美穂の顔は見えないけど、返事を返す。
だんだん震えも止まってきた。
「部屋入ろう?花火も終わったし。」
優しく言い聞かせるように言う美穂。