この未来を壊して下さい。【完】
すでに廊下の突き当たりの部屋、リビングの中にいた私は振り返り、母親と向かい合う。
弘輝がきちんとリビングに入ったのを確認して、母親に視線を移す。
心配そうに私を見る弘輝の視線を気にしながら自分を落ち着かせる。
「あなたが弘輝の母親?」
彼女は一度弘輝を確認して顔色を変えた。
「えぇ、そうよ。
あの子が何を言ったのかは知らないけど、あなたを不法侵入で訴えますよ。
今日は急用があるの。今すぐ出て行ってくれない?」
彼女は勝ち誇ったような表情。
きっとこんな小娘には何もできないと思っているのだろう。
馬鹿にしないで。
「私の目的は一つだけ。弘輝を峰崎組の跡取りにしないこと。」