この未来を壊して下さい。【完】
「フフ...わかってないわね。
アンタなんて簡単に殺せるってことよ」
そう言いながら少し私の方に歩いてくる。
私との距離は残り3メートル。
「あら、怖くなった?」
一歩も動かない私を怖くなったと勘違いしたらしい。
私は気づかれないようにパーカーの下のそれを手探りで取り出す。
「弘輝は跡取りになるの。そして私は次期組長の親よ。」
そういいながら一歩距離を詰められる。
その瞬間、
「言いたいことはそれだけ?」
ニッコリと笑ってそれを母親に向ける。