この未来を壊して下さい。【完】
笑いながら、確実に落とそうとしてくる。
何も見えない、何も聞こえないあの暗闇に落とそうと、的確に弱点だけを突いてくる。
せっかく彼らといた時間だけは感情を出せたのに、それさえも奪おうとする。
それだけが私の弱点だったから、初めて作った弱点だったから、自分で自分の感情がコントロールできなくて、
ただ、彼らには知られたくなかったのに。
そんな願いさえも届かない。
「姫羅」
そう龍河に言われても振り向く気にさえなれない。
ただ、自分の感情を押し殺すのに精いっぱいで、何をどうしたらいいのかすらわからない。
「姫羅」
そうもう一回龍河は私の名前を呼ぶ。
怖かった。振り向いて、拒絶されるのが怖かった。
もう時間がやばい...