この未来を壊して下さい。【完】
いや、そんなこと考える余裕がなかった。
必死に自分の中の感情をコントロールしようとしていて、
でも出来なくて、
周りを気にする余裕もないくらい必死だった。
だからだと思う。
龍河が止まっていなかったことにも気付かないまま、
ただ、私が壊れるんじゃないかって不安だった。
急に真っ暗になった視界。
状況を把握しようと一度冷静になる。
そして、やっと龍河が止まっていなかったことに気がついた。
私は龍河に抱きしめられていた。
顔一つ分龍河の方が身長が高いので、必然的に龍河の胸のあたりに私の顔が来る。